死んでもあなたに愛されたい
ダブルパンチの衝撃で、リアクションしか取れない。
空気を読んでややうしろに下がっていた魁運は、ふしぎそうに首をかしげた。
「ひとみ、知り合いか?」
「う、うん、まあ……」
「はじめまして」
「……! ……え?」
軽く会釈をする彼女に、魁運は驚愕し、あたしと彼女を見比べた。
そうだよね、そうなるよね。
初対面の反応として正しいよ。
……だって、あたしたちは。
「紹介するね。この子は、つむぎ」
「どうもこんにちは。ひぃちゃん――ひとみの、双子の妹です」
「……ふ、ふたご?」
あたしと、つむぎ。
ひとつの魂をはんぶんこした、一卵性双生児。
背丈も顔の造形も、瓜ふたつ。
そっくりな容姿で、唯一ちがうのは、色。
だった、けど……。
「つぅちゃん、その髪、パーマかけた?」
「そうなの。かわいいでしょ?」
「うん、すごく。見かけたとき、つぅちゃんじゃないかと思った」
「イメチェン成功だ」
あたしと同じストレートだった、つぅちゃんのライトブラウンの長髪。
それが少し見ない間に、くるくるのふわふわに。
トイプードルみたい。