死んでもあなたに愛されたい
「ひぃちゃんもヘアスタイル変えたんだね?」
透明な双眼をつぅちゃんに射抜かれる。
そのヘーゼル色の瞳は、興味深そうに隣に移る。
「隣の彼の影響?」
「え、えへへ~……」
「わっかりやすいね。家出したって聞いてたけど、家出じゃなくてカケオチだったの?」
ごふっ、と魁運がむせた。
否定はできないよね!
今後カケオチになるかもしれない!
どうせ父さんに魁運との関係は反対されるのは目に見えてる。
兵吾郎が連れ戻しに来たくらいだし。
あたしと魁運が恋人関係になったら。
家出からカケオチに言い換えられるのでは!?
カケオチのほうがロマンチック!
あたし、永鳥家に嫁に行きます!!
あ、まちがえた。
嫁に行く準備はできております!
「家出なら応援するけど、カケオチならおすすめできないかなあ」
「なんで!?!?」
「いや、カケオチじゃねぇし」
「ウチの学校でたまにあるんだけど、いろんな人に迷惑かけるし、警察沙汰になったりもするし。なにより、責任や宿命から逃げ出した不届き者だって、双方ともに烙印押されるはめになるんだよ。
そしてカケオチしたふたりは、たいてい幸せにはなれないの」
「切ないラブロマンスじゃなく、没落サスペンス!?」
「カケオチがたまにあるってどんな学校だよ……」