死んでもあなたに愛されたい


さらっと今、つぅちゃん、かっこいいとか惚れたとか言わなかった!?

ちょこちょこアピールしてるな……。


おじ様とも親しげに話してるし。外堀から埋める気か!?




「実は、わたしと魁運は、血がつながっていないんだ」


「え……!?」


「それでも似ていると思ってくれるのは、きっと、血よりもたしかなもので”家族”になっているからなんだろうね」




驚愕したのは、あたしだけだった。


つぅちゃんと赤羽くんは、白鳥家の情報網で把握していたのかもしれない。



あたし、知らなかった。

疑ったこともなかった。



『……家族にもいろいろあるしな』



魁運にもワケがあった。

ふつうじゃない環境を、ふつうにして、あたしを迎え入れてくれた。



やっぱり、ここは、どこまでもあったかい。




「あたし、この家族の輪に入れて、よかった」


「……すてきな家族ですね。そのピアスも、手作りですよね?」




魁運の左耳についた、特殊なピアス。

それは白鳥家の神社では取り扱っていないものらしい。




「カイウンさんにプレゼントされたんですか?」


「厄除けのためにね。大事な息子を守りたい一心で作ってみたんだ」


「子ども思いですね。愛されているのが伝わってきます」




血のつながったウチよりも家族らしい。


ウチに帰るときが来たら、父さんに教えこもう。

この世にはこんなにすてきな親御さんがいらっしゃるんだよ!って、更生させる勢いで。


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