私のために生きた君へ
ジリリリリリリリン!!!!!
朝から頭にまで響いてくる目覚まし時計に一撃を食らわせ、むくりと起き上がる。
もぞもぞと布団から起き上がり、カーテンを開けた。
「やった、晴れてる」
昨日の天気予報で降水確率が40%だったから、少し心配していた。
その心配を綺麗に拭い去るように、心地よい日差しが部屋を満たした。
洗面所で顔を洗い、お母さんが作ってくれた朝ごはんを食べる。
お母さんが淹れるコーヒーのいい香りが、キッチンから立ち込めていた。
歯磨きをすませ、入念に髪型をチェックする。
いつも通りの朝、いつも通りのルーティーン。
それでもどこか、心が浮ついているのは、今日が待ちに待った入学式だからだろう。
「じゃあいってきます!」
「うん、気を付けて。お母さんたちもあとから行くから。」
「はあい!」
履きなれないローファーに足を入れ、ピカピカのカバンを肩にかける。
一気に扉を開けると、まぶしい光と気持ちのいい空気が一気にあふれてくる。
「おはよ、千春。」
____そして、そこにいるのは、10年変わらない私の大好きな人。