たとえ二度と戻れなくても
「・・・・・」



私は、ある教室の前に立っていた。
腕時計を確認すると、夜23時55分を指していた。



私の通う星ヶ丘大学には一つの噂があった。



それは真夜中の0時ちょうど。D305教室の扉を開けると、自分の一番会いたい人に会えるという話。



しかし、それには、ある一つのデメリットがあった。



会いたい人に会える代わりに二度と現実世界には戻れないということ。
世の中そうそう上手い話はない。
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