たとえ二度と戻れなくても
「なに、これ....」



私はこんな文章を書いた覚えがなかった。
それにこれは私自身に語りかけている文章にも見えた。



「ずっと君を待っていたんだよ、お姫様」



「いや....来ないで....貴方は一体誰なの!?」



「大丈夫、怖くなんかない。さぁ、目を閉じて?」



「....っ....」



暁くんがそういうと、私の瞼はみるみるうちに重くなった。



凄く眠い....けど、何か見落としてる気がする。



そういえば、一ページ目の最後に何か重要なことが書いてあった気がする。



「おやすみなさい、お姫様」



「すぅ、すぅ....」



私はそこで意識を手放した。



「次に目覚めたときは、君は本当に俺のお姫様だ」



一ページ目の最後にはこう綴られていた。



ー会いたい人に必ずしも会えるとは限らない
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