たとえ二度と戻れなくても
私はしゃがんでクローバーを手にとった。



確か、四つ葉のクローバーは願いを叶えるだったよね。
クローバーの花言葉を思い出しては少し悲しくなった。



そんなとき



「ずっと君を待ってたんだよ....お姫様」



「....え?」



背中に温かいぬくもりを感じた。
それは私が知ってる声。この声は私が毎日のように聞いている。



アニメでは絶対に言わないけれど、私と彼の夢物語を書いた小説で、彼は私のことを親しみを込めて「お姫様」と呼んでいる。



あぁ。私だって、ずっと会いたかった。



「暁くん....!」



私は大好きな彼の名前を口にした。
このまま後ろから抱きつかれるのも悪くないけど、まずは正面で向き合って....。



やっぱり生で見るとカッコいいなぁ。
....ん? あれ? さっき、暁くんはなんて言った?



ずっと私を待ってた? え? 理解が追いつかない。
私を待ってたって、どういう意味だろう?
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