悪役令嬢満喫中につき邪魔は許しませんことよ!
side客観

ダンス会場の視線は
第1王子でもなく第2王子でもない
しかし第3王子でもない

紛れもなく
近衛騎士団 団長アルバ・ロレインと
ラドゥルフ公爵家 令嬢
ローズマリー・ディム・ラドゥルフに
集中していた。

なにせかたや帝国一腕のたつ剣士であり眉目秀麗な帝国レディの憧れの的

かたや帝国一美しいと言われる
文武両道を極めた国民の高嶺の花

「ここまでお似合いな方達はいませんわ……」

「ローズマリー様本当にお美しい…」
「でもあの方は少し近寄り難いというか…」
「何言ってるのよ私がハンカチーフを落としてしまった時拾って気さくに話しかけてくださったのよ?とてもお優しい方だったわ…」
「なんですのそれ羨ましいですわ!
詳しくおきかせくださいなっ!」

ぽうっと絵画のような2人のダンスを
見ている者たちの中で誰かが呟いた

『今のローズマリー様は
本当に中央で凛と咲く一輪の薔薇ですわ…ほんとうにお美しい…』

クルクルと回るとスカートがふわりふわり
その度に花が咲いているようで
誰もが目を奪われていた。

side客観_END
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