イケメン拾った!魔法を隠して慎ましく?スローライフ…できてない!!
「ではお話の続きをどうぞ」

二つ目のチキンと庭の野菜を挟んだパンに噛りつきながらレオナルドを促した。今日の私は二つ目余裕だね!
しかし騎士って吸い込むようにご飯無くなってくよね。
山のように用意したのにあっという間に半分無い。よい、よい。旨かろ?私のご飯は。なんなら追加、食べな。
まぁなぜそんなに食材があるのかと言うなら……ちょいちょいと鮮度を戻したと言いますか、さっと行って狩って採って来たと言いますか。まぁ色々です、はい。

「……という感じです」
「はぁ」

事のあらましは大体わかった。記憶がなくなり、隊長クビになり、引きこもり生活で髪も白銀になったわけか。でもまぁ髪色なんか何色でも生きていくのに関係ないからね。
それから記憶を取り戻して動物達に尻叩かれながらここに来た、と。辛辣な雀とか居たでしょ。
多分、ライアンが記憶を取り戻したあと少し寝坊助の私が目を覚ましたんだ。いやぁ、不思議だね。

ふとライアンの視線を感じて顔を向ける。不安そうだ。そりゃそうだ、色々あったんだから。
レオナルドの話ぶりでは動物とのことはさておきまだ魔法の事は知らないだろう。

手を伸ばし、ライアンの髪を指で摘まむ。
金の瞳はどこか揺れている。
私の髪も今は銀だ、なにも困らないよ大丈夫!

「同じだね。不思議だねぇ」

大きくなった瞳が今度は細まる。スッと今度は私の唇にライアンの指が延びる。

「ついていたぞ」

チロっと見えた舌で指を撫でた。あ、またソースですか?ありがとう。
それからやっぱり残してしまった食べきれないパン。ライアンを見て…えい入れてしまえ!
ライアンは口を開けてパンを迎え入れ、嬉しそうに咀嚼した。

「えー、こほん……」

咳払うレオナルド。心なしか頬が紅い。イケメンだ。

「お楽しみのところ申し訳ないのですが…」

姿勢を正したレオナルドからの爆弾発言、投下。

「マキアージュさんは……魔力持ちでは?」


げげげっ!スルーされてなかった!!!

「我々は今まで起こってきた不可解な不思議な出来事はあなたとあなたの周りが起こしたと考えています」

なんだこのイケメン。ライアンはチョロかったのに…的確過ぎる。(たらーり)

「どうかお答え願えるか?あなたは魔じ…」
「それを口にするな。俺も含め全ての怒りを買うぞ」

殺気と怒気を含んだ低いライアンの声。
騎士イケメンの迫力…怖っ!

「俺はマキアージュがなんであろうと構わない。彼女は二度も救ってくれた」
「しかし…」
「俺は……」

ライアンは立ち上がりマキアージュを包み込むように抱き締めた。

「ここに住みマキアージュと共に生きよう」

マキアージュ、レオナルド共にフリーズ…


「………」
「………」

ストーップ!!
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