甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
「花梨になにしてんだよ、お前」


 暁斗はいまだに抱き着いている私の手からそっと逃れると、健太を鋭く睨みつけながら、低い声で言った。

 怒りに満ちた暁斗の瞳。

 私のために健太に怒ってくれている暁斗を、嬉しく思ってしまった。


「はあ⁉ うっせーな! っていうかなんなんだよお前女に抱きつかれてさー! この女たらし!」


 健太が口を尖らせて言う。

 その言いぶりに今度は私が怒りを覚える。

 暁斗は女たらしなんかじゃないし!

 っていうかそもそも女たらしってなんだろ……?

 でも悪口といいうことはなんとなくわかる。

 優しい暁斗が悪いように言われるのは、とにかく我慢ならなかった。

 すると暁斗は、不敵な笑みを浮かべた。

 前に健太に女たらしって言われていた他の男の子は「ちげーよ!」って必死に否定していたけれど……。

 暁斗はなんて言うのだろう?


「お前、うらやましいの?」


 超然とした微笑みを浮かべた暁斗の言葉は、予想外の内容だった。

 私は虚を衝かれる。

 健太も想像していなかったみたいで、固まっていた。
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