甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
私は猫さんを片手で抱えた。
すると、暁斗が荷物を持っていない方の手で、私の開いている手を握ってきた。
とても自然に。
一緒に歩くときはいつも、私たちは手を繋ぐ。
最近では、繋がないと落ち着かなくなる気さえする。
そして私たちは、仲良く並んで暁斗の家へと向かった。
「あのさ、花梨」
「ん?」
「また誰かにいじめられたら、すぐ俺に言って」
「え……?」
「俺が花梨を守るから」
心臓がぎゅっと、誰かに握られたみたいに痛くなった。
だけどなぜか心地よいと思える痛みだった。
暁斗は常にどこか気怠そうだけど、いざという時はいつも私を助けてくれる。
そしてその時だけは、まったく面倒そうな雰囲気はない。
さっきだってそうだった。
私がピンチになると、鋭い目つきになって、途端にかっこいい騎士になる。
瑠璃とごっこ遊びをするときは、私はいつもお姫様にはなれない。
だけど暁斗は、いつも私を勝手にお姫様にしてくれるんだ。