甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
そして、騎士になった暁斗を見るたびに、私の心臓は今みたいに変な風に鼓動してしまうのだった。
*
――懐かしい夢だった。
たぶん、十年くらい前だろう。
幼かった頃の、かわいらしい暁斗。
だけどずっと彼に恋していた私には、あの頃の彼の姿も、多くの出来事も、鮮明に記憶に刻み込まれている。
――俺が花梨を守るから。
小学生の時の暁斗は、確かにそう言った。
はっきりと、私に向かって。
「あの頃のほうが、よっぽと恋人らしいなあ」
ベッドの上に身を起こし、私は苦笑を浮かべてひとり呟く。
スマートフォンで時間を見たら、六時二十分。
目覚ましのアラームがなる十分前に、美しい思い出に起こされてしまったらしかった。
そう、あの頃から私は暁斗に恋をしていた。
恋が何かなんて知らなかったのに、私は彼を好きになっていた。
そして、その恋心は一日も、一分も、一秒も途切れることなく現在に続いている。
幼かった私に、今の私たちの関係を知らせたらがっかりしちゃうかな。
まさか、何も進展がない上に、ニセモノの恋人同士だなんてね。