甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 そして、騎士になった暁斗を見るたびに、私の心臓は今みたいに変な風に鼓動してしまうのだった。






 ――懐かしい夢だった。

 たぶん、十年くらい前だろう。

 幼かった頃の、かわいらしい暁斗。

 だけどずっと彼に恋していた私には、あの頃の彼の姿も、多くの出来事も、鮮明に記憶に刻み込まれている。

 ――俺が花梨を守るから。

 小学生の時の暁斗は、確かにそう言った。

 はっきりと、私に向かって。


「あの頃のほうが、よっぽと恋人らしいなあ」


 ベッドの上に身を起こし、私は苦笑を浮かべてひとり呟く。

 スマートフォンで時間を見たら、六時二十分。

 目覚ましのアラームがなる十分前に、美しい思い出に起こされてしまったらしかった。

 そう、あの頃から私は暁斗に恋をしていた。

 恋が何かなんて知らなかったのに、私は彼を好きになっていた。

 そして、その恋心は一日も、一分も、一秒も途切れることなく現在に続いている。

 幼かった私に、今の私たちの関係を知らせたらがっかりしちゃうかな。

 まさか、何も進展がない上に、ニセモノの恋人同士だなんてね。

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