甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
私は思わず耳をそばだてる。
「ふーん。そう」
暁斗は少しも興味無さそうにそう言うと、大あくびをした。
友達には「まあ、お前には愛しの花梨ちゃんがいるもんなー」と言われていたけど、暁斗はそれには何も答えない。
はあ、よかった。
暁斗が転校生に興味ないみたいで……。
心の底から安堵するも、いや、もし実際に美少女が目の前に来たら暁斗も考えが変わるんじゃ、とまた不安が沸き起こる。
忙しい私の胸の内。
そんな風に少しそわそわしている教室だったが、ホームルーム開始のチャイムが鳴り、先生が入ってくると席に着いたみんなに緊張が走ったようだった。
「どんな子なんだろな」
「気になるね」
近くの席から小さなそんな声が次々と聞こえてくる。
私は暁斗の好みの女の子じゃありませんように、こっそり神様にお祈りをしていた。
「今日からこのクラスに新しい仲間が増えます。……倉木、入ってくるように」
「はい」
扉が開いていた教室の入り口の向こうから、とてもキュートな声が聞こえてきた。
声から想像すると、絶対にかわいいに違いなかった。