甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
だけど、今までのそんな私には他の女の子の気持ちを考えることはなかった。
そこまで頭が回らなかったんだ。
対外的には彼女という私の存在がなくなれば、暁斗は以前のように女の子に告白されまくる日常に戻ってしまうだろう。
それはそれは、さぞかし精神的に大変になると思う。
でもその女の子たちは、悩んで、迷って、決意して、暁斗に思い切って気持ちを告げに来たんだ。
嘘の関係で彼女たちの気持ちを無かったことにするのは、よくないことなんじゃないかってやっぱり思える。
――すると。
「花梨って、ほんとお人よしなんだから」
沙也加は少し呆れたように、しかし優しく微笑みながら言った。
「恋なんて駆け引きなんだよ。誰かの悪口を言ったり、貶めたりするような嘘じゃなければアリなんじゃない? 大切なのは、花梨の気持ちと暁斗くんの気持ちだと思う」
「私と、暁斗の気持ち……」
「うん! それで私の見立てでは絶対にふたりは両想いなんだから! 周りのことなんて気にする必要なし!」
「うーん……」