甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 だって暁斗はいつだって優しかったし、私はいつだって彼に恋をしていたから。

 だから私のこんな言動は、彼にとっては信じられなかったのかもしれない。

 虚を衝かれているような、暁斗の面持ちだった。


「だってそうでしょ。関係ないよ、暁斗には」

「……そんなことない」

「なんでそう言えるの⁉ だって私たちはニセモノの関係じゃない! 本当の恋人同士じゃないんだよ!」


 思わず叫ぶように言ってしまった。

 暁斗の傍に居られるけど、それはまがい物。

 本当の恋仲じゃない。

 この一年間のモヤモヤしていた想いを、私はつい暁斗にぶつけてしまったんだ。

 ――そのタイミングが、悪かった。

 まさかよりによって、この私の発言をあの子に聞かれてしまうなんて。

 彼女がいると知っていれば、きっと私はこんなことを言わなかった。


「え、どういうことなの?」


 背後から聞こえてきたのは、かわいらしい声だった。

 本日、何年振りかに聞いた、私たちにとってはとても懐かしい、彼女の声。

 はっとして振り返ると、そこには瑠璃が呆然としたような顔をして、立っていた。
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