甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
心の底からそう思ったけれど、声が出てこない。
臆病な私は、自分の気持ちを言葉に出せない。
暁斗はしばらくの間、無表情で瑠璃を見ていた。
彼が何を考えているのか分からなかった。
暁斗が次に何を言うのかが怖い。
私はごくりと生唾を飲んだ。
――すると。
「……無理だよ、ごめん」
暁斗は瑠璃をまっすぐと見たまま、静かな声で言った。
「え、なんで?」
「俺は花梨がいいから」
はっきりと、断言するように暁斗が言う。
その言葉に衝撃を受ける私。
――花梨がいいから。
ねえ暁斗。
それってどういう意味?
本当に、私と付き合いたいって意味?
それとも、ニセ彼女でいるのは、長い間ずっと一緒に居た私が一番楽だから……そんな意味?
とてもかわいくて、はっきりと自分の想いを告げた瑠璃よりも、私を選んだのは、どんな理由なの?
尋ねたいけど、やっぱり言葉が出てこない。
すると暁斗は、それ以上私たちには何も言わずに、家の中へと入ってしまった。