甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
普段通りに見える暁斗。
だけど、昨日の私が「私たちは本当の恋人同士じゃないんだから」って言ったことに、さすがに何かは思っているだろう。
そのことについて私も話したかったけれど、瑠璃がいたら言いづらいなあ。
「三人で学校に一緒に行ってると、昔を思い出すねー!」
三人並んで学校までの道を歩いていると、瑠璃が楽しそうに言った。
確かに彼女が引っ越してしまうまでは、朝は三人で一緒に居ることが多かった。
しかし瑠璃がいなくなってからの、暁斗とふたりでいる期間が長くて、濃くて。
三人の頃の記憶は、私の中でおぼろげだった。
「……ごめん。あんまり覚えてない」
暁斗があくびをしながらそう言う。
まあ、暁斗は物事に頓着しないからなあ。
私が当たり前のように話す昔の思い出も「そんなことあったっけ」とよく言われてしまう。
でも変なことを覚えていたりもする。
私がイルミネーションを好きって言っていたこととか。
この前久しぶりに私の部屋に来た時に、猫のぬいぐるみを見て「これ、俺が七歳の花梨の誕生日に渡したやつだ」なんて言っていた。