甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
そんなの、私のこと少しは好きなのかなあって思っちゃう。
でもそれなら彼女にしてくれるはずだしなあ、って結局毎回同じ結論に行きつくのだけど。
「えー! ひどくない⁉ 私は暁斗と過ごした記憶をひとつも残らずに覚えてる自信があるからね! だって好きなんだもん」
暁斗に腕を絡ませながら、瑠璃が口を尖らせて言う。
その時にちらりと、私と目が合った。
自信ありげな微笑みを浮かべている。
――私が本物の彼女になってやるんだからね。
なんだかそう言っているようにも、見えた。
朝からすごいなあ。
……いいなあ、あんな風に言えて。
私はどうして、たった一言を言う勇気が出ないんだろう。
「いやいや、ひとつくらいは忘れてるんじゃない」
いや、暁斗……。
突っ込むのはそこじゃないと思うんだけど。
だって好きなんだもん、には無反応ですか。
でもそんなズレているところが、また暁斗らしくはある。
そして暁斗が、無理のない動作で瑠璃の腕からするりと自分の腕を抜いた。
そんな些細なことに、私は深く安堵してしまった。