甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 光景を想像しただけで顔から火が出そうになるのに。

 でももちろん、そうしたい気持ちはあるけれど……。

 そんなことをこっそり考えながらも、衣装作りに一生懸命取り組んでいた、その時だった。

 閉めていた教室の扉が勢いよく開いた。

 クラスの誰かが帰ってきたのかなと、私は何気なく視線を送る。

 しかし、教室に入ってきた人物が予想外な上に、今まさに頭の中で思い浮かべていた顔だったので、私は息が止まるほど驚いた。


「暁斗……?」


 暁斗だったんだ。

 大好きな人のいきなりの登場に、驚愕しながらも嬉しさが込み上げてくる。

 だけどそんなこと決して悟られないように、状況に相応しいくらいに少し驚いた感じで、私はこう言った。 


「どうしたの? うちのクラスに何か用事?」


 暁斗は一年三組、私は一年二組。

 隣同士のクラスだった。

 一瞬間違えて入ってきたのかなと思ったけれど、私の顔を見ても迷わずにずんずん教室の中へと入ってきたから、そうではないみたいだった。

 私が疑問に思っていると、暁斗は目も合わさずにいつもの淡々とした口調で、こう言った。


「ちょっとここに隠れさせて」 

「え?」


 暁斗は教卓の中へと体を丸めて入っていった。

 彼が何をしているのかまるで意味が分からず、私は首を捻るばかり。

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