甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
そもそも私たちは付き合っていないのだから、別れ話も何もない。
だけどそのニセモノの関係ですら、瑠璃の登場によって危うくなっている。
私の気分的には、瞬くんの指摘は心に刺さった。
「いやーだってさ。前に学校の帰りに、ふたりが一緒に帰ってるところ見たんだけどさ。少しふたりの間に距離があるように見えて。何度か目撃したんだけどいつもそうでさ。あんまりあのふたり付き合ってるっぽくないなーって、思ったんだよね」
「距離……」
瞬くんの言う通り、私と暁斗との間にはきっと距離がある。
物理的にも、内面的にも。
本当の恋人のように、私たちは気持ちを確かめ合ったり、抱き合ったりすることはないから。
「あと、なんとなく暁斗といる時、花梨ちゃんなんか深刻そうに見えるんだよね。特に今日は特に元気ないように見える。昨日転校してきたふたりの幼馴染の……瑠璃ちゃん、だっけ? やたらと暁斗に近づいてるけど、あの子も関係してたりして?」
瞬くん、沙也加なみに鋭い……。
私たちのことをよく観察しているなあ。
まさか瑠璃のことにも感づいているなんて。