甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
そんな出来事あったようななかったような……。
はっきりとは思い出せないけど、自分にできることならちゃんとやろうと、一応考えながら活動はしていた。
その中には、もしかしたらみんなが嫌がるような仕事もあったのかもしれない。
「あとたまたま、駅前の繁華街で二回くらい見かけたんだよね。一回目はおばあちゃんの荷物を持ちながら、手を繋いで横断歩道を渡ってた。二回目は、迷子になった子供を交番に届けているところだった。花梨ちゃんマジで優しすぎじゃない⁉って俺はびっくりしたよ」
「まさかそんなところを見られてたとは……。全然気が付かなかったよ」
おばあちゃんの荷物持ちと迷子の子供の世話をした覚えは確かにあった。
でも、特に自分がいいことをしたとは思っていなかった。
うちの両親は昔から困った人を見たら自分のできることをするんだよと教えてくれていたから、私にはそれが染みついている。
暁斗も同じような考えだし、特別なことだなんて全然思わない。