甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 一緒に作業をしていた沙也加も、怪訝そうな顔をしている。

 ――すると。

 再び教室のドアが開けられたかと思うと、今度は女子ふたりが入ってきた。

 確か、うちのクラスでも暁斗のクラスでもない子達だったと思う。

 彼女らは何故か血相を変えた様子で、ドア付近に立ったままこう尋ねてきた。


「ねえ! 今ここに暁斗くん来なかった⁉」


 とても慌てた様子だった。

 暁斗が教卓の中にいることを知っている私は、一瞬言葉に詰まってしまう。
 だけど「隠れさせて」と彼が言っていたので、ここはとぼけた方がいいんだよね?


「い、いないけど」


 嘘をつくのが下手な私は、言葉を少し噛んでしまった。

 だけど、文化祭の準備のために私たちが作業に使っている以外の机と椅子が端に寄せられて、開けた空間となっている教室内に、隠れられる場所はほとんどない。

 掃除用具入れと、暁斗が今身を潜めている教卓の中くらいだろう。


「そっか! ありがとね!」

 
 別のクラスの女子ふたりは、暁斗がさすがに本気で身を隠しているとは思わなかったようだった。

 私たちに早口でそう言うと、教室から素早く出て行ってしまった。


「もう! どこ行ったのよー!」

「暁斗くーん!」
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