甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
「――胸騒ぎねぇ。勘のよろしいことで」
間延びした声で瞬くんが言う。
どこか暁斗を挑発するような声音にも聞こえた。
胸騒ぎとか、勘のよろしいことでとかは、一体何を言わんとしているのかはわからないけど……。
「花梨、もう文化祭実行委員の仕事終わった?」
「え、だいたいは……」
瞬くんと一緒に行っていた調べ物はちょうどほとんど終わったところだった。
まとめるのはひとりで家でやっても、今後の予定に差し支えないだろう。
「じゃあもう帰ろ。ほら、行くよ」
「ちょっと待ってよ暁斗。俺の話はまだ終わってないんだけど?」
暁斗の言葉に被せるように、瞬くんがどこか大胆に言う。
暁斗は半眼で瞬くんを見据える。
「別に俺は瞬と話すことなんてないよ」
「ふたりさあ、もしかして別れの危機なんじゃじゃないの? さっき花梨ちゃんにも言ったんだけど」
暁斗の意見を華麗にスルーする瞬くん。
いつも優しい微笑みを顔に張り付けている彼だけど、なんだかただ穏やかな人ではないんだなという気がしてきた。