甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 私は言葉が見つからず、彼の後に続くことしかできない。

 教室からだいぶ離れたところで暁斗が立ち止まった。

 私の方を見た彼の顔は、珍しくとても不安そうで、私はうろたえてしまう。


「あ、暁斗?」

「ごめん、花梨。嫌だった?」

「え、何が……?」

「俺といるの、嫌だったのかなって。昨日も帰り際に俺ん家来るの嫌がってたし、元気ない顔してるって瞬にも言われてたし」

「そっ、そんなことない!」


 とにかく否定したかった私は、ぶんぶんと首を横に振って、必死に自分の気持ちを叫んだ。

 さっき、瞬くんに「俺と花梨はすげーうまくいってるけど」って言ってくれたとき。私の肩を抱き寄せてくれたとき。

 私はすごく嬉しくなってしまったんだ。

 例えそれが、本物の恋人らしく見せるための、暁斗の演技だったとしても。

 瑠璃や、他の女の子たちのことはどうすればいいのかはまだわからない。

 私たちのニセモノの関係を、このまま続けるのはよくないことなのかな……という気もしている。

 だけど私は、どんな形でも暁斗のそばにいられさえすればいいと、結局思ってしまうのだった。
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