甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 なんていう彼女らの叫びが、廊下から聞こえてきた。

 一緒にパタパタという足音も響いてくる。

 どうやら走り回って暁斗のことを捜しているみたいだ。

 きっと、教室をひとつひとつ調べていくのだろう。


「……暁斗。あのふたりならもう行ったよ」


 足音が遠くに聞こえた頃、私がそう言うと暁斗はひょっこり教卓の中から出てきた。


「ふー……」

「なんだったの、あれ」


 疲れたように嘆息する暁斗に向かって、沙也加が尋ねると。


「俺に告白してきた人と、その友達」


 私にとっては驚きのことを、暁斗は表情も変えずに言う。

 でも、暁斗にとっては女の子から告白されるなんて、日常茶飯事だ。

 マイペースで口数の少ない暁斗は、女の子とはあまり話さない。

 だけど、定期テストではいつも成績優秀者に名を連ね、スポーツも万能、さらに街を歩けば十人中十人は振り返るくらいに顔もかっこいい。

 そんな完璧クールイケメンの暁斗は、いつも女子たちの噂の種だった。
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