甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?



 学校の近くのショッピングモールに併設されている映画館へと、私たちは足を運んだ。

 暁斗がチケット代を出してくれたから、私はポップコーンとドリンク代を支払うことにした。

 それも最初は暁斗がお金を出そうとしてくれたんだけど、「それはさすがに悪いよ!」と主張して、私は支払いを強行した。

 まあ、チケット代よりはだいぶ安くなってしまったんだけどね。

 映画は、少女漫画が原作の、大学生カップルの恋愛模様を描いた青春を感じられる爽やかなストーリーだった。

 傍から見ていたら両想いなのに、お互いの気持ちに気づかずにすれ違うばかりのヒーローとヒロイン。

 厄介なライバルも出てきて、ふたりの仲が壊れてしまいそうになるシーンには、本当にハラハラした。

 ラストシーンではやっとふたりは自分の気持ちを伝え合い、きれいな海の見える砂浜の上で、抱きしめ合うのだった。

 そんな切なくも心温まるラブストーリーを、映画館の暗がりの中大好きな暁斗と一緒に鑑賞した私。

 ヒーローの女の子の臆病な性格が、自分とすごく重なってしまった。

 言いたいけど、言えない自分の深い気持ちが。
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