甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
「確かに。さっさと言えよって何度も思った。あ、でもそうすると映画すぐに終わっちゃうな」

「あはは! そうだね!」


 暁斗の言い分が面白くて、私はくすくすと笑う。

 ――そして。


「男の子、すっごくかっこよくて女の子にモテモテなのに。あんな人でも、好きな女の子に告白するのは怖いのかなあ」


 夕暮れに染まった空を見ながら、何気なく私は言った。

 特に深い意味はない。

 映画を見て思った疑問点を、なんとなく言っただけだ。


「……怖いよ」


 暁斗が立ち止まって、ぼそりとそう呟く。

 その言い方がとても意味深に思えて、私も思わず足を止めた。

 家の近くの、人通りの少ない路地だった。


「暁斗?」

「怖いと思う。本気で好きなら。その子のことを、本当に大切なら。失うのかもしれないと思ったら、そんなこと言うの怖いって」

「え……? う、うん。そっか。そう、だね」


 私をじっと見つめて、暁斗が淡々と、しかしどこか真に迫ったように言う。

 暁斗、それって映画の感想だよね?

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