甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
「えーと……」


 そんな風に、悩んでいた時だった。


「おい瞬。人の彼女に息吸うみたいに手を出そうとするんじゃねえよ」


 暁斗の低い声が聞こえてきた。

 怒気をはらませたような声調だった。

 しかし私は暁斗の「人の彼女に」という発言に、性懲りもなく嬉しくなってしまう。


「げっ、暁斗だ。いいじゃんか、一回くらい花梨ちゃんを借りても。減るもんじゃないじゃん」


 瞬くんはそんな暁斗の様子に怯んだ様子もなく、いつものように超然とした態度だ。


「減るからやだ」

「何が減るの?」

「俺と花梨が過ごす時間が減るじゃん、馬鹿じゃね」


 仏頂面を浮かべて言った暁斗の言葉。

 ――「俺と花梨が過ごす時間」。

 私が何よりも幸せだと思っている、その時間。

 暁斗も、少しはその時間を大切に思ってくれているってことなのかな……。


「……なるほどね。確かに減るね。じゃあ言い方を変えるわ。暁斗っていつも花梨ちゃんを独占してるんだから、ちょっとくらいその時間が減ってもいいじゃん」

「だから嫌だっつってんだよ」
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