甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 一年生のみならず、二年生や三年生の先輩まで「一年の間宮暁斗って子、めっちゃかっこいいんだけど知ってる?」なんて話している現場を、何度も私は見たことがある。

 告白されている現場も度々目撃している。

 私が見ていないところでも、きっとたくさんの女子に愛を打ち明けられているんだろうなあ……。

 女の子に告白されたとさっき聞いた瞬間、暁斗に恋をしている私はかなり焦った。

 その子と付き合ってしまうんじゃないかって、思えて。

 だけど、暁斗がどうやら逃げているらしいという状況は、私にとって悪い方向ではなさそうだ。


「……そうなんだ」

「さすが暁斗くんだねぇ」


 私は平静を装って言う。

 暁斗の噂を知っている沙也加は、呆れたように笑っていた。

 私の方をチラチラ見ながら。

 沙也加とは高校になってから友人になった。

 見た目はキリっとした美人なんだけど、あまり自分が恋愛するつもりはないらしい。

 いや、ないわけではないけれど、アニメやゲームが好きな彼女はとても理想が高いらしく、「3次元に私の好きなタイプあまりいないわ……」と、いつも嘆いている。
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