甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
「花梨の方が心配だよ、私はさ~。あんた、ぼーっとしてるからやり手の瞬くんに丸めこまれそうで」

「え、やり手……? 瞬くん、すごく優しいけど」

「そりゃ優しいことは私も知ってるけど! あんたを手に入れるために瑠璃ちゃんと組むような男なんだから! 気を付けないとダメだよ!」

「う、うん……」


 そう言われても、私は暁斗以外の人に一切気持ちは揺らがないのだから、沙也加の言っていることにあまりピンと来ない。


「――でもさ。瞬くんに流されるのもありなんじゃないのかなって思う」

「え?」


 相変わらず看板に絵を描きながら喋る沙也加だったけれど、声がワントーン下がったので私は会話に集中する。


「暁斗くんとの関係、辛いでしょ。好きな人とニセモノの恋人同士なんてさ。だから、分かりやすく愛してくれる瞬くんに逃げるのもいんじゃないかなって」

「瞬くんに逃げる……」


 そんなこと、アリなの?

 一瞬瞬くんの隣で歩いている自分を私は想像してみた。

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