甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
みんなのことで頭がいっぱいになっていて、乗るアトラクションについて全然気が回っていなかった。
瞬くんに言われて、眼前にそびえ立つコースターのレールを改めて眺める私。
彼の言う通り、ひっきりなしに乗客の楽しそうな悲鳴が聞こえてくるジェットコースターは、かなり高い位置から落ちてずっと猛スピードで園内を駆けていっている。
そう言えば、昔暁斗と一緒に勇気を出して乗った時も、すごく怖くて後悔したんだよね。
結構前のことだったから今の今まで忘れてた……。
あの時、乗車後に真っ青な顔になってしまった私を暁斗はとても気遣ってくれたっけ。
「え、もしかして花梨ちゃん苦手だった? 大丈夫ー? 俺たちは降りよっか?」
「だ、大丈夫。あんまり得意じゃないけど、頑張れば乗れないことはないよ」
笑みを作って答える。
瞬くんの言う通り、一瞬乗るのをやめる手もありかなと思ったけれど、列から離れたら暁斗と瑠璃が正真正銘ふたりっきりになってしまう。
今はふたりから目を離したくなかった。
前を並ぶふたりからは、瑠璃の大きな声が絶え間なくに聞こえてくる。