甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
暁斗は、たまにぼそりと話すだけだった。
それも「違う」とか「しない」とか、否定的なものばかり。
今のところ、瑠璃のアタックに暁斗は一切揺らいではいないようだった。
「そっか。でももしマジで怖かったら、俺の手を握ってもいいよ?」
そう言いながら、にこやかに手を出してくる瞬くん。
やっぱり男の子だから、私よりはふたまわりくらいは大きそうな手のひらだけど、指は細くて長く、きれいな手の甲だった。
確かに、彼の手のひらが包んでくれれば、怖さも軽減される気がした。
――だけど。
「うん、ありがとう。でも私は大丈夫だから」
私ははっきりとそう言って、瞬くんの手を取らない。
私は好きなのは暁斗なんだ。
たとえこの想いが報われないとしても。
だからここで他の男の子の手を取ってしまうのは、自分の信念に対する裏切りに思えた。
そして、ただでさえ叶わないこの恋が、絶対に成就しなくなってしまうだろうとも。