甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
なんてこと、もちろん言えないけどさ。
いつもどこかひょうひょうとしていて、自分のペースで生きている暁斗。
きっと、彼女を作ったら今より忙しくなると思っているから、そんな気が起きないのだろう。
前に学年一の美少女に告白されても、迷うことなくあっさり断っていたし。
きっと、幼馴染で暁斗とは唯一仲のいい女子なのかもしれない私とも、そういう関係になる気はないと思う。
私はただの友人だから、彼の自由なペースを乱すことはない。
だから私は、自分の恋心を暁斗に決して知られてはならないんだ。
それが、暁斗と仲のいい幼馴染で居続けるための条件。
「ほんと、大変」
暁斗は気怠そうにそう言ったあと、大あくびをした。
そして私達の手元を見た。
「ところで花梨たちは何を作ってんの?」
「明日の文化祭で使う衣装だよ」
「花梨のクラス、何やるんだっけ」
「喫茶店なんだけど、かわいくしたくて女子は猫耳としっぽをつけるの。今はスカートに尻尾を付けてるところだよ」
「ふーん……」