甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 なんてこと、もちろん言えないけどさ。

 いつもどこかひょうひょうとしていて、自分のペースで生きている暁斗。

 きっと、彼女を作ったら今より忙しくなると思っているから、そんな気が起きないのだろう。

 前に学年一の美少女に告白されても、迷うことなくあっさり断っていたし。

 きっと、幼馴染で暁斗とは唯一仲のいい女子なのかもしれない私とも、そういう関係になる気はないと思う。

 私はただの友人だから、彼の自由なペースを乱すことはない。

 だから私は、自分の恋心を暁斗に決して知られてはならないんだ。

 それが、暁斗と仲のいい幼馴染で居続けるための条件。


「ほんと、大変」


 暁斗は気怠そうにそう言ったあと、大あくびをした。

 そして私達の手元を見た。


「ところで花梨たちは何を作ってんの?」

「明日の文化祭で使う衣装だよ」

「花梨のクラス、何やるんだっけ」


「喫茶店なんだけど、かわいくしたくて女子は猫耳としっぽをつけるの。今はスカートに尻尾を付けてるところだよ」

「ふーん……」


< 19 / 252 >

この作品をシェア

pagetop