甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
瑠璃は私の正面になる位置に、暁斗は背を向けている。
ガラスをいくつか挟んでいるためか、瑠璃の表情はぼやけていて見えない。
「お、だんだん高くなってきたよー」
「ほんとだね」
外を見ながら瞬くんが楽しそうに言う。
地上にいる人たちがどんどん小さくなっていった。
少し離れた青々とした丘陵が視界を占めていく。
空は雲ひとつない晴天で、観覧車のゴンドラ内から見える青と緑の景色は、それはそれは美しかった。
だけど私は、景色を純粋に楽しむことができなかった。
前のゴンドラのふたりが気になりすぎて。
瑠璃の口がひっきりなしに動いているのがかろうじて見える。
何を喋っているのかな……。
――すると。
「花梨ちゃん、あのさ」
「えっ?」
急に瞬くんが真剣な声音になった。
暁斗と瑠璃のことに気を取られていた私は、一気に自分が乗っているゴンドラ内の世界に引き戻される。
いつも緩く笑っている瞬くんが、どこか硬く真剣な面持ちになって私を見ている。