甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 少し前とは全然様子が違うふたりに戸惑う私。

 瞬くんも首を傾げている。


「知らなーい!」


 瑠璃は口を尖らせて、大袈裟に暁斗から顔を逸らして言う。

 そして私を半眼で見据えた。


「る、瑠璃……? 暁斗と何かあったの?」

「ふんだ! だから知らないってば―! 腹立つから花梨には絶対に教えない!」

「えっ……」


 何に腹が立っているのか分からず私が困惑していると、瑠璃はなぜか瞬くんの手を取って強引に歩き出した。


「ちょ、ちょっと瑠璃ちゃん?」

「もう付き合ってらんないわ! あんなふたりほっとこ! 瞬くんもう帰るよ!」

「えっ……。俺はまだちょっと遊びたいんだけ……」

「いいから邪魔者は帰るのっ!」


 瞬くんの意見はむなしく却下され、瑠璃にぐいぐいと引っ張られていく。

 彼は苦笑を浮かべて私たちに向かって「バイバイ」と手を振ると、そのうち瑠璃に抵抗する素振りをなくして彼女の隣を歩いた。

 一緒に帰ることを渋々了承したらしかった。

 つまり、私は取り残されたのだ。

 遊園地で、暁斗とふたりっきりで。
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