甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 暁斗は教室から出て行ってしまった。


「あんたの好きな人、相変わらずモテモテだねえ」


 沙也加はスカートに猫のしっぽを縫い付けながら、茶化すように言った。

 突然の暁斗の出現に作業の手を止めていた私たちだったけれど、明日までに衣装を完成させなければいけない事態は変わっていない。

 休んでいないで、さっさと進めなくっちゃいけない。

 だけど私は暁斗のことで頭がいっぱいで、作業をせずにため息を付いてうなだれる。


「……ほんとだよ。なんであんなにモテるんだろ」

「えー、それ花梨が言う?」

「わ、私は……! モテるとかモテないとか、そんな意識がない頃から暁斗のこと好きだし……」

「もう花梨ったら一途! あー超かわいい! 私が男なら花梨と今すぐに結婚するのに!」


 沙也加は針を机の上に置いてから、私を勢いよく抱きしめて愛おしそうに言う。


「あはは、ありがとう沙也加」

「今どきこんな一途な子いないよ! おーい! 暁斗くん!」
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