甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

覚悟


 文化祭の本祭が終わった後、私と瞬くんは実行委員としての片付けの仕事で、ずっと忙しく動いていた。

 他のクラスメイト達は、教室の片づけを行った後プチ打ち上げをやっていたみたいだけど、私はそれには参加できなかった。

 すべての仕事が完了したころは、すでに後夜祭が始まっていた。

 後夜祭は生徒会が主催だから、実行委員もやっと仕事から解放されることになる。


「あー、疲れたねー。花梨ちゃん、お疲れ様」

「瞬くんも、お疲れ様」


 そう言いながら、二年二組の教室に戻って来たけれど、もう誰も残っていなかった。

 みんな後夜祭の会場である校庭や、中庭へと行ってしまったらしい。

 暁斗ももう行っちゃったんだよね?

 去年の約束、覚えていてくれているかな……。

 と、私が考えていたら。


「なんか花梨ちゃん、潔い顔しているね」

「え?」

「うまく言えないんだけどさ。覚悟を決めたって言うか、腹をくくったって言うか。そんなすっきりしたいい表情になってる」

「覚悟……」


 そうだ。私は数時間前に覚悟を決めた。

 長い間の恋心を、暁斗にちゃんと伝えるって。

 その決意が、表情に表れていたのかもしれない。
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