甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

世界一幸せな女の子


 外へ出る前に、校舎の二階から見えたイルミネーションは、去年よりも光り輝いているように見えた。

 前回より手をかけて作ったのか、それとも奮い立った私の気持ちがそう見せているのか。

 分からないけれど、夜の闇の中花壇の花々が照らされている光景は、神秘的でとても美麗だった。

 ――しかし。


「今年もすごい人……」


 校舎から外に出て、花壇へと向かった私が目にしたのは、大勢の人の背中。

 イルミネーションの周りには人だかりができているのは、去年と同じだった。

 そして、背の低い私がいくら背伸びをしたりジャンプをしたりしても、美しい輝きが全然見えないのも去年と同じ。

 でも去年は、こうして困っている私を、暁斗が抱っこをしてイルミネーションを見せてくれたんだ。

 暁斗の姿は見つからない。

 近くにいるのかもしれないけれど、人が多い上に暗がりなため、捜すのは難しそうだ。

 ――もしかしたら、ここに暁斗はいないのかもしれないし。

 去年の約束を忘れてしまっていたとしたら……いや、暁斗は私との約束を一度だって破ったことは無かった。

< 225 / 252 >

この作品をシェア

pagetop