甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
世界一幸せな女の子
外へ出る前に、校舎の二階から見えたイルミネーションは、去年よりも光り輝いているように見えた。
前回より手をかけて作ったのか、それとも奮い立った私の気持ちがそう見せているのか。
分からないけれど、夜の闇の中花壇の花々が照らされている光景は、神秘的でとても美麗だった。
――しかし。
「今年もすごい人……」
校舎から外に出て、花壇へと向かった私が目にしたのは、大勢の人の背中。
イルミネーションの周りには人だかりができているのは、去年と同じだった。
そして、背の低い私がいくら背伸びをしたりジャンプをしたりしても、美しい輝きが全然見えないのも去年と同じ。
でも去年は、こうして困っている私を、暁斗が抱っこをしてイルミネーションを見せてくれたんだ。
暁斗の姿は見つからない。
近くにいるのかもしれないけれど、人が多い上に暗がりなため、捜すのは難しそうだ。
――もしかしたら、ここに暁斗はいないのかもしれないし。
去年の約束を忘れてしまっていたとしたら……いや、暁斗は私との約束を一度だって破ったことは無かった。