甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 忘れっぽい暁斗だけど、なぜか約束を反故にされたことは一回もない。

 だけど、さっき一緒にあいあいタピオカドリンクを飲んだ時。

 暁斗の様子がおかしかった。

 私がなぜか暁斗を嫌がっていると少し思っていたみたいだし、何か意味深なことを言いかけた。

 約束を覚えていてくれたとしても、暁斗に来たい気持ちがなかったら……。

 それなら来てくれるはずがないだろう。

 だけど私が想いを伝えるのは、この場所しかないと思えた。

 幼い頃から大好きで、暁斗と何度も見たイルミネーションの目の前で。

 偽物の恋人という関係が始まったこの花壇の前で。

 ――ねえ暁斗。

 お願いだから、来て。

 私がそう強く願った――その時。


「ねえねえ」


 いきなり誰かに肩を叩かれて、私の心は一瞬喜んだ。

 この場所に来て私に話しかけてくるのは、暁斗しかいないって思い込んでいたから。

 だけど、すぐにその声が暁斗ではないことに気づき、落胆する。

 振り返ると、初めて見る顔だった。制服もうちの学校のものではない。

 他校の男子、ふたり組だった。
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