甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 絶体絶命の私が、心の中で大好きな人の顔を思い浮かべ、名前を叫んだ――。

 その時だった。


「ちょっと、何してんのあんたら」


 前から声が聞こえてきた。

 低くて、私を落ち着いた気持ちにさせる声。

 どこか不愛想だけど、本当は優しさが内包されている、あの大好きな声。

 ――暁斗だった。

 暁斗が、ふたりぐみの他校の男子の前に、対峙していた。

 暗い中でも分かるほど、そのきれいな瞳に怒りを湛えて。


「はあ? お前こそなん……」

「その子は俺のなんだけど。何勝手に人のもの盗ろうとしてんの?」


 はっきりと暁斗は言った。

 「その子は俺の」って。

 ――そうだよ。

 私の心はずっと暁斗のものだ。

 暁斗だけのものだ。

 私はそれを、早くあなたに打ち明けたい。

 そうするために、この場所にいた。


「は⁉ うっざ……」

「あー、いーやもう。めんどくなってきたわ」


 ひとりが暁斗に食って掛かるように詰め寄ったけれど、もうひとりがそんな彼の肩を掴んで制した。
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