甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
また、小学生の頃に家族ぐるみで遊園地のお化け屋敷に行った時も、足がすくんでしまってなかなか入れなかった。
暁斗が手を繋いでくれるって言うからなんとか入れたんだよね。
暁斗はこういった私の心霊苦手体質を知っているはずだけど……。
「それなら俺と一緒に入ればいいじゃん」
ケーキを食べながら、暁斗はさも当然のように言った。
「えっ⁉」
「昔みたいに手繋いで入ってやるから。それならいいじゃん?」
「う、うん!」
思わず満面の笑みを浮かべて頷いてしまった。
だって嬉しすぎる。
暁斗が手を繋いで一緒に入ってくれるなんて。
小さくなってしまっていた幸福感が、一瞬で大きく膨らんだ。
暁斗はいとも簡単に私を幸せな気分にしてくれる。
本人にはそんな気はないくせに。
本当に、ずるいよ。
ずるすぎるよ。
「じゃ、そういうことで。それじゃあとでな、花梨」
ケーキとジュースを完食した暁斗は、そう言って教室から出て行った。
時計を見たら、あと十分で十一時だった。