甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
午前の部の私の仕事は終わったけれど、午後二時から三時までまた接客を任されていた。
「ふーん。耳は取っちゃったんだね」
「あれはカチューシャタイプだから簡単に取れるの。目立つから取ってきたんだ」
「なんだ、つけてればよかったのに。猫耳かわいかったから」
かわいかった、という暁斗の一言に心臓が波打つ。
恋愛感情なんてないくせに、こんなことをいつもあっさり言ってくる。
もう、私の気も知らないで……。
そう思いつつも、単純な私の恋心は、その度に強く反応してしまうのだった。
「と、とにかく。早くお化け屋敷入ろっ?」
火照ってたぶん赤くなってしまっている顔を隠すように、私はお化け屋敷の受付へと向かう。
受付には、暁斗のクラスの男子がひとりいた。
知っている顔だった。
直接話したことは無いけれど、うちのクラスの友達がよく噂をしている人だ。
確か名前は、速水瞬くん。
初めて間近で顔を見たけれど、女子たちの話題にのぼるだけあるなあと、私は感心してしまった。