甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
怖さを隠すように、私は能天気を装って言った。
だけど変に声が震えてしまっている。
きっと暁斗には、びびっていることを悟られたに違いない。
ああ、恥ずかしい。
すると、掴んだ袖の先の暁斗からは小さくくすっと笑う声が漏れた。
「花梨、やっぱり怖いの?」
「え、そんなに怖くなんて……」
私が心霊の類を苦手なことを暁斗は知っている。
だけど自分から入った上に、高校生の手作りお化け屋敷に本気でびびっていることを知られるのは、やっぱり恥ずかしかった。
――だけど。
「怖いならちゃんと言って、花梨」
「え……?」
「俺には正直になってよ。俺がいるから、大丈夫だし」
暁斗の穏やかな声。
幼馴染の私だけが知っている、一見クールそうな暁斗の実は優しいところ。
さらに暁斗は、私の手を取って強く、だけど優しく握ってくれた。
彼のひんやりとした手のひらが、やけに心地よい。
お化け屋敷に対する怖さは、一瞬でなくなってしまった。