甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 暁斗って言うしかないの?

 いやいや、無理だよ……。

 彼女を作る気がない暁斗にそんなことを知られたら、絶対にうざがられちゃう。

 今までみたいに仲良くしてくれなくなっちゃう。

 こうなったら他の人を好きって嘘を言っちゃう⁉

 でもそんなの、その人に失礼だよね。

 私の発言がきっかけで、トラブルが起こったら申し訳ないし……。

 と思った私だったけれど。

 ある人物の顔が突然脳裏に浮かんだ。

 さっき少しだけ話した人物だ。

 そうだ!

 あの人ならば。

 彼ならば。

 ここで名前を出しても、きっと大丈夫なはずだ!

 決意した私は、恐る恐る口を開いた。


「えっと……。好きとか気になっていうか、単純にかっこいいなぁって思ってる人なんだど……」

『誰⁉』


 何人ものクラスメイト達が、私に詰め寄ってくる。

 本当に好きだなあ、みんなこういう話。

 まだ少し迷いはあったけれど、とにかく誰かの名前を出さないともう逃れられそうにない。

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