甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
始まったニセの関係
後夜祭は、花火の打ち上げやキャンプファイヤーを囲んでのダンス、野外ライブなどイベントが盛りだくさんだ。
しかし私は、輪になって踊っている人やライブ準備中のステージを尻目に、ひとり走っていた。
校庭の端に位置している花壇に向かって。
後夜祭の時、花壇の花の間を縫うように設置されたライトのイルミネーションが点灯されるのだ。
煌びやかな光に彩られた花たちを、私は是非間近で見たかった。
私は昔から、夜の闇の中でキラキラとした光を放つ、イルミネーションを見るのが好きだった。
好きになったきっかけは、幼稚園の頃に暁斗の家族と一緒に行った、夕方の遊園地で点灯されていたイルミネーションを見たことだと思う。
あの時、私の隣に立っていつものように手を繋いでくれた暁斗。
点滅するイルミネーションに照らされた、幼かった彼の横顔。
好きな人と一緒に見たあの時の夢のような光景は、今でも鮮明に覚えている。
イルミネーションが好きというか、私はあの時の暁斗を思い出したいだけなのかもしれない。
どれだけ彼のことが好きなんだろう、私は。