甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
本当は、勉強が得意な暁斗に少し聞きたいなあと思っていた。
でも、暁斗はテスト勉強よりも遊びたいんじゃないかと思って言えなかったんだ。
――暁斗っていつもそうだ。
私がピンチになっていると、何も言わないのに察して助けてくれる。
ねえ、どうして?
「暁斗……ありがとう」
「ん。さっさとやってのんびりしよう」
私がしんみりと深くお礼を言っても、暁斗は軽く受け流す。
人に感謝されるのが照れくさいらしい。
そういうところもまた、暁斗らしい。
学校では口数が少なくて、文武両道のクールなイケメンで通っているけれど。
本当の暁斗はマイペースで面倒くさがりで、緩くて。
そしてあまり表には出さないけれど、とても優しい性格だ。
……私だけが知っている、素の暁斗。
私たちは幼い頃からずっと、こうしてどっちかの部屋に行ってふたりで遊ぶことが多かった。
もはや習慣になりつつある。
放課後「じゃ、花梨。今日もおれんちで」なんてことを、暁斗は当たり前のように言ってくる。
小学生の頃は私の部屋で遊ぶことも多かったけれど、中学生頃からは暁斗の部屋に行くことが多くなった。
女の子の部屋だからって遠慮してくれてるのかなあって前に考えた。
ーーうーん、でも。
暁斗は私を女の子っていうか、性別を意識しない仲良しって思ってる気がするから、違うかなあ。