甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
集まっていた見物人たちがぞろぞろと撤収していくのを見て、暁斗も私を肩車から降ろす。
「ありがとう、暁斗」
嬉しすぎる出来事の後なのに、自分はただの幼馴染なんだよなあということをやっぱり考えてしまって、少し後ろ向きの気分になってしまった私。
そんな心の内を気づかれないように、私は微笑んで言った。
「ん、そっか」
暁斗も小さく笑い返す。
そんな小さなことでいちいち高鳴る胸が、忙しくて鬱陶しい。
「後夜祭ももうすぐ終わりかなー。楽しかったな―、文化祭」
能天気にそう言って、私は天空に向かって手を突き上げて伸びをする。
――すると。
「……あのさ、花梨」
暁斗の声のトーンが少しだけ変わった。
いつも淡々と喋るから分かりづらいけれど、付き合いの長い私には判別できる。
これは、少し真剣な話をするときの暁斗だ。
一体何の話だろう……?
と、不思議に思っていたら、暁斗がおずおずと口を開いた。