甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 確率は低くても、必ずそれを引く人は存在する。

 なぜ自分はそれに該当しないと、思ってしまっていたのだろう。

 私が引いたくじには、クラス委員が急いで書いたらしい雑な「〇」が描かれていた。

 もちろん、いい意味の「〇」ではない。


「女子の委員、私です……」


 落胆しながらクラス中に向かって私はそう言う。

 するとまだくじを引いていない女子たちからは安堵の視線が送られてきた。


「はーい! それじゃ女子の文化祭実行委員は葉月花梨さんに決定でーす!」


 自分の名前が黒板に書かれている時、ちらりと暁斗の方を見た。

 私の席は窓際の一番後ろで、暁斗の席は中央の列の後ろから二番目だ。

 目が合った。

 何か言いたそうな顔をしているように見えた。

 私は首を傾げる。

 暁斗は口を開いたけれど、くじ箱を持ったクラス委員が回ってきたので、すぐに口を閉じてくじを一枚とる。

 何を言おうとしていたんだろ。
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