甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
もともと立候補していたわけではないし、くじで当たって「俺がやる」と言っている人を押しのけて、彼女(ニセだけど)がやるんなら俺もやります、なんて都合がよすぎよね。
そもそも暁斗だって、「日頃から世話になってる花梨をちょっと助けてやるか」くらいの気持ちだっただろうと思う。
それでも私は舞い上がってしまったけれど。
私は苦笑を浮かべて暁斗の方を見た。
「あーあ、面倒な役をやることになっちゃった」という気持ちを、彼に表情で伝えたかった。
だけど、暁斗は瞬くんの方に鋭い眼差しを向けていて、そんな私の行動には気づかなかった。
え、暁斗なんでそんな顔をしているんだろう?
実は本当に実行委員をやりたくなったとか……?
いや、でもそんなわけないよね?
「というわけで花梨ちゃん。よろしくね。一緒にがんばろ」
「う、うん」
瞬くんが私の席の方にやってきて、右手を出してきたので握り返しながら私は言う。
間近で見たら、大きな瞳がキラキラとした輝きを放っていて、彼の爽やか美少年っぷりを、改めて感じてしまった。