甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
「少しは俺の事好きだったのかなあ、去年は」


 黙りこくっている私に少しずつ近づきながら、瞬くんがやんわりと追及してくる。

 穏和そうに見える微笑みを彼は湛えているけれど、やたらと目力が強くて目が逸らせなかった。


「暁斗と付き合ってるんなら、今はさすがに違うのかな」

「あ、えっと」

「ねえ。だけどもし、さ。花梨ちゃんが、俺のことを少しでも気にしてるのなら――」


 いつの間にか、瞬くんの整い過ぎた顔が目と鼻の先にあった。

 なんでこんなに近いんだろう。

 な、なんかキスでもされそうなんだけど⁉……と、そんなわけないのについ思ってしまうくらいに、近い。

 予想外過ぎる事態に、私は声も出せず身動きを取れずにいた。

 その間にも、瞬くんの一部は私に触れそうになっていた。

 ――すると。


「花梨」


 勢いよく教室の扉が開いたかと思ったら、それと同時に静かだけどどこか怒気がはらんでいるような、そんな声で私の名が呼ばれた。

 その拍子に、私は反射的に瞬くんから離れて、教室のドアの方へと目線を合わせた。

 入ってきたのは、なんと暁斗だった。

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